高齢者に効果的な大腰筋の筋トレ方法
なんだか最近足腰が弱くなった気がする。歩いてもすぐ疲れてしまう。それは大腰筋の筋力が衰えている証拠かもしれません。体力が落ちたわけではなく筋肉が硬くなって筋肉量が落ちたと言えます。
特に高齢を迎えると目に見えて体力の衰えを感じる人は沢山いると思います。人間の身体は下半身の筋肉が約70%を占めます。つまり衰えてくるのも下半身の筋肉からというのが多いのです。
下半身の筋力がなくなると、歩くのが疲れたり、階段の上り下りが苦しくなったり、長い距離を歩けなくなったり、長時間立っていることが難しくなったりします。そこでそんな高齢者の方々にもできる大腰筋トレーニングを紹介していきます。
大腰筋とは
大腰筋と言ってもパッと思い浮かぶ人は少ないと思います。なかなか聞いたことがない筋肉ですよね。大腰筋は、腰椎の両側面から大腿骨にかけて伸びていてインナーマッスルの一つです。腰椎の両側面から大腿骨にかけて伸びるということは、骨盤の安定性や、姿勢にも影響が出てくる筋肉です。腸腰筋と呼ばれる筋肉の1部と考えてください。
大腰筋の働き
股関節の屈曲
股関節の屈曲とは足を股関節を曲げることです。つまり足を上げる動作に大きく関連します。だからこの筋肉が硬くなったり、弱くなったりすることで歩いても疲れてしまうのです。
股関節外転
股関節を外に開く動きにも関連します。得に体が硬くなってくると足を開くことが難しく感じませんか?これも大腰筋が関連しています。
大腰筋はなぜ硬くなり、弱くなるのか
長時間の座り姿勢
長時間座りっぱなしになると大腰筋を動かすことがなくなるので、次第に筋肉は硬くなります。そして硬くなった筋肉は柔らかくするのに時間もかかるため、負の連鎖が始まります。
運動不足
運動不足、ここでは歩くことや、階段を意識的に使うなどの日常動作の中でできる運動をしないために筋力が落ちます。筋肉は使わなければ衰えていきます。例えば1ヵ月寝たきりになった場合筋肉は50%低下すると言われています。
20代前半をピークに年に1%ずつ低下するので20歳と70歳で比べただけでも50%の筋肉量の減りがあることを自覚しましょう。つまり歩かなればますます歩けなくなるということです。
オススメ大腰筋トレーニング
仰向け屈曲筋トレ
仰向けに寝た状態で膝をかかえるトレーニングです。普段動かすことがないと大腰筋が硬くなることが多いので意識的に動かしていきましょう。
やり方
・仰向けに寝ます
・片足を胸の前まで引き寄せたら両手でキャッチ
・キャッチして2秒カウントしたら足をもとに戻します
・片足10回行ったら反対も同様に行います
高齢者の方で万が一硬くて両手でキャッチできない場合は足のみを曲げるだけでも大丈夫です。
レッグレイズ
このトレーニングは膝を伸ばしたまま行います。筋肉は日々刺激を変えてあげることで成長します。毎日同じ筋トレや運動ではなく変化のあるものにしていきましょう。上げるスピードを変えたり、回数を増やしたりしましょう。
やり方
・仰向けに寝ます
・両手は床につき膝を伸ばしたまま垂直に上げていきます
・理想は90度まで上げましょう
・左右交互にゆっくり10回行いましょう
うつ伏せバタ足筋トレ
うつ伏せで行うバタ足は大腰筋のトレーニングとして効果があります。注意点としてはうつ伏せのため苦しく感じる人はクッションやベッドの上で行うことも考慮しましょう。
やり方
・うつ伏せに寝た状態から両手を前に出します
・膝を伸ばしたまま左右の足をそれぞれ上下に動かします
・20回~30回を目安に行いましょう
・顔はやや正面をみると背筋も同様に鍛えられ効果が向上します
うつ伏せ足曲げ筋トレ
特に初心者の方にはオススメです。
やり方
・うつ伏せに寝ます
・片足ずつ膝を曲げては伸ばすの繰り返しです
・交互に行い神経伝達をよくしましょう
・回数は50回を目安としましょう
うつ伏せ背筋、腸腰筋トレ
大腰筋と同時に背筋も鍛えられるトレーニングです。
やり方
・うつ伏せの状態から両手を前に出します
・両手の力で上半身持ち上げて10秒キープ
・ゆっくりうつぶせに戻ります
・持ち上げてキープ戻すの繰り返しを3回行いましょう
立位股関節回しトレーニング
高齢者が立位で行う場合は何か横につかまるものを用意してから行うといいでしょう。安全対策は一番大切です。
やり方
・片足を曲げます
・前、横、後と滑らかに円を描くように動かしていきます
・片足を5回回したら反対の足も同様に行いましょう
慣れてきたらつかまらずにできるか挑戦してもいいでしょう。体幹力もつくのでおすすめです。
足上げ筋トレ
立位は基本的には安全対策として椅子や壁につかまりながら行うといいでしょう。
できる方はつかまらずチャレンジしていきましょう。
やり方
・直立した状態から片足を曲げます
・膝の角度は90度までが理想的です
・ゆっくり戻して反対の足も同様に行います
足を曲げることで大腰筋と腹筋を同時に鍛えることができます。
上級者向け大腰筋トレーニング
上級者になると体幹もある程度しっかりしてバランス感覚も養われてきます。更なる体幹強化と大腰筋強化を行いましょう。
やり方
・仰向けに寝ます
・両足をそろえ、90度まで上げます
・下ろす位置は身体と水平になる位置、この時かかとは床にはつけません
・回数は20回を目安にしましょう
ニートゥエルボー
上級者はこのような腹筋もしっかり効かせることができる大腰筋トレーニングを行いましょう。
やり方
・椅子に座り、両手で頭を抱えます
・右肘が左膝にくっつくように足を持ち上げます
・背筋は伸ばしたままを意識しましょう
・反対も同様に行います
ポイントはしっかりひねることで大腰筋と腹筋にダイレクトに効きます。
立位ニートゥエルボー応用編
足を真横に開くことで普段の日常生活ではない動きをして刺激を入れます。
やり方
・両手は頭に置きます
・脇を開いた状態にします
・右足から真横に持ち上げ右ひじと接地するようにしましょう
・反対も同様に行います
・左右20回を目指しましょう
まとめ
大腰筋を日頃から鍛えておくことは生涯歩けることを保証することになります。鍛えていくことで骨盤を正しい位置に安定させ、正しい姿勢を維持していくことができます。年齢とともに筋肉量は減りますが、できることだって沢山あります。歩けるということがいかにありがたいことか皆さんはすでにわかっているのではないかと思います。
大腰筋はその中の一つの手法です。まずは自分ができそうなトレーニング種目から始めてみてください。週に3回を目安に1種目あたり2セットから3セットは行いましょう。